ロボアドバイザー投資は、いつ始めればいいか、ということを悩んでいる人も多いかもしれません。これには大きく分けて2つの内容があると思います。
ひとつは、ロボアドバイザーを始めるべきかどうか、という問いですね。まだ貯金はそれほどたまっていないけど、とか少額しか積み立てられないけど、今から始めておくべきなの?という疑問を持っている人がいると思います。
またもうひとつは、ロボアドバイザーで運用することは決めたけれど、どのタイミングで投資を始めればいいのだろう、という問いですね。もっと株価が下落した時がいいのではないか、とか、今は高値すぎるのではないか、ということでタイミングを計りかねている人もいると思います。
ともに、答えは「今」だと思っています。(ロボアドバイザーをインデックスファンド投資と言い換えても同じです。)
しかしこれを強調しすぎて、証券会社の押し売りと一緒なので、その真意や注意点について書いておきたいと思います。
「今」じゃない人もいる
始めるなら今だ、と言っておきながら、いきなり否定してしまいました。しかし、やっぱり始めるべきではない人もいると思っています。例えばこういう人です。
・毎月、収入より支出のほうが多い人
・短期での運用益を目指している人
最初の2つのパターンは、投資を考える前に「収益体質」を作る必要があります。借金を完済したり、収入の範囲内で生活をするパターンを作るということです。赤字を補うために投資をしてうまくいくケースはほとんどなく、とくに精神的にはよりストレスを感じることになると思います。
3つ目のパターンは、ロボアドバイザー投資にそもそも向いていない可能性が高い、と思います。短期で(1年とか数年で)の運用益確定を目指しているとしたら、その期間内では損を被る可能性もあります。「xxxショック」なんていうのが起きたら、資金は大きく目減りします。ロボアドバイザーはあくまで10年単位で考えられる人にお勧めします。
始めるべきかどうかを悩んでいる人
始めるかどうかを悩んでいる人に、始めるなら「今」という理由は、資産運用は長期になればなるほど、収益はプラスの方向で安定するからです。
つまり早く始めれば始めるほど、将来に貯まる資産は大きくなるからです。
「今日始めるのと明日始めるので、そんなに違う?」と言われると、それはほとんど違いません。しかし悩んでいる人は、その思考を積み重ねて、1か月たち、半年たち、1年たち、、、と時間が過ぎていくかもしれません。
その時間がもったいないということです。
ロボアドバイザーの主な投資先になる、インデックスを3つ並べてみます。左から、①MSCIコクサイ指数(先進国株インデックス)、②ダウ(米国株のインデックス)、③先進国債券インデックスファンド(eMaxisSlim)。

期間は異なりますが、可能な限り長期のグラフを探しました。5~20年ぐらいの範囲ですが、期間全般で見るといずれも右肩上がりになっているのが見て取れると思います。
期間をもっと長くしても、長くすればするほど、この右肩上がりの傾向になります。
参入のタイミングを計りかねている人
これも気持ちがよくわかります。
投資したら次の日から株価が下がる、というのは、自分の経験からも単に心理的なものだけではなく、実際にそうなっているのではないかとも思います。
次の日ではなくて、早晩xxxショックで株も債権も全面安ということが起こりそうな気がします。
しかしこの考え方を逆に言うと、「時期を適切に判断すれば、常に割安なタイミングで購入することが可能ではないか」ということになりますね。
実際に僕も、そうなんじゃないかと思うことはよくあります。
この点について、「敗者のゲーム」という本で著者のチャールズ・エリスはこのように言っています。
市場タイミングに賭けてみようというのは悪魔のささやきだ。決して耳を傾けてはいけない。
「敗者のゲーム」p30
過去75年という長期間で見た場合、株式リターンの大部分は900か月のうち60か月のうちに起こっているというのです。75年というと想像しにくいですが、この上昇期間というのは9か月のうちの18日に相当する、非常に短い期間です。そうすると逆も同じで、株式ロスの大部分も、これぐらい短い期間の間に発生しているということです。
これをチャールズ・エリスは「稲妻が輝く瞬間」と表現しています。
つまり、そのような瞬間を予測することは不可能に近いということです。
ではその対策は、と聞かれたら、よく聞かれる言葉ですが、「常に市場にいること」、つまり今すぐにでも参入をすればよい、ということになります。
「いや、そうは言っても、今初めてすぐに暴落したら?」とも思いますね。その気持ちも分かります。
そこで、このような考え方で始めてみたらどうでしょうか。
・そのうちの5分の1(とか10分の1でもいいです)だけ、実際に資産を購入してみる。
・下がったら、5%下がるごとに5分の1を購入。上がったら何もしない。
投資余力を把握する、というのは非常に重要な点です。
この点で、借金があったり毎月赤字の人には、ロボアドバイザーというより、投資そのものをおすすめしません。
そのうえで、資金を全力で投入するのではなくて、時期を分散して徐々に投資していくと考えると、暴落が来ても怖くないです。(むしろ暴落が来て安値で仕入れられることを待ってしまいます)
まとめ
というわけで、ロボアドバイザーを始めるならいつ?という悩みに対しての考えを記してみました。
まとめるとこのような感じです。
・ロボアドバイザーの投資対象は基本的に右肩上がりなので、早く始めるほど効果が大きくなります。
・株価の急騰・急落の時期を読むことはほぼ不可能と思っておくこと。
・暴落が怖い人は、時間を分散して投資してみましょう。
参考になれば幸いです。
コメント