
ところで、イデコ(iDeCo)って聞いたことある?

んー、なんか聞いたことあるけど、なんやったっけ?。主婦にも関係あるん?

まあ知ってて損することはないよ。主婦でも加入することはできるし。

またなんか私に金を出させようとしてない。。。?

いや、や、そんなつもりで聞いたわけじゃなくて。。。(汗)
iDeCoっていうのは、老後資金の形成を目的とした、私的な年金制度のこと。加入してもしなくてもいい。でも加入すると税制上の優遇があるから検討する価値は高い。一方でいくつか注意点もあります。
iDeCoは誰が加入できるの?
まず前提として、この条件に当てはまることが必要です。
- 20歳以上60歳未満であること
- 国民年金や厚生年金などの公的年金に加入している(国民年金が未納ではない)こと
- 日本に居住していること
また会社員の場合、このような条件があります。
- 勤務先で企業型の年金に加入していない、またはiDeCoとの両方の加入が認められていること(マッチング拠出という制度を利用している場合は、iDeCoが利用できません)
この条件を満たしていればいいので、会社員の妻である専業主婦や、パートで働いている主婦もほとんどの場合が加入することができます。パートの年収の壁というのも関係がなく加入することができます(ただし、パートの年収が一定額を超えると、夫の扶養から外れるとか社会保険費用の負担が発生するという「壁」が消えるわけではありません)。
会社員の場合は、勤務先で企業型の年金に加入しているかどうかや、その年金制度がiDeCoへの加入を認めているかどうかの確認が必要です。iDeCo加入に代わって「マッチング拠出」という制度のある企業型の年金がありますが、この場合は個人的にiDeCoに加入することはできません。
iDeCoのメリットはなに?
様々なメリットがあるので、一つずつ見ていきましょう。
所得税や住民税が税金が安くなる
掛け金は自分で設定することができますが、下限は月5,000円で、1,000円単位で設定できます。
上限は人によって異なりますが、主婦の場合は23,000円(年間27万6千円)です。
サラリーマンの場合、勤務先の企業型年金がない場合は、主婦と同じ23,000円が上限。
もし確定拠出型の企業型年金に加入している場合は20,000円 (年間24万円) が上限になります。
一つ目の税制上のメリットは、この掛け金が「所得控除」になり、所得税と住民税が安くなるということです。

所得控除って何よ。

あ、はい、「所得控除」というのはつまり、「税金を決める基になる課税所得から控除する」ということです。所得税や住民税は収入に対して一定の割合で徴収されます。この課税される対象の金額を課税所得と言いますが、「所得控除」はこの課税所得を計算上低く見積もりますよ、ということです。
例えば、課税所得が350万円の場合、所得税と住民税の税率は合わせて約30%です。
*この課税所得というのは実際の収入金額から一定の給与所得などを差し引いたもので、実際の収入金額とは異なります。
普通なら350万円x30%=1,050,000円を所得税・住民税として徴収されます。ここでiDeCoの掛け金(年間24万円払った場合)を所得控除として参入すると、課税所得は350万円→326万円に減ります。ここに30%の税率をかけると、326万円x30%=978,000円です。
つまり、iDeCoに掛け金を拠出しなかった場合と比べて、72,000円も税金が安くなるということです。
24万円で普通に株を買っても、誰も所得控除として認めてくれません。しかしiDeCoを通じてお投資すると、所得控除として認めてもらえるのです。

しかーし、あんた大事なこと忘れてるで。私は専業主婦やから、そもそも収入がなーい!!

そう、たしかに専業主婦の場合このメリットの恩恵は受けられません。だったら専業主婦にはiDeCoは必要ないのか、ほかにメリットはないのかというところを見ていきましょう。
運用益に税金がかからない
証券会社を通じて投資信託を売買して利益が出ると、これは譲渡所得ということになり、この利益の部分に税金がかかります。その率は約20%。これがiDeCoの場合ゼロになります。これはすべての加入者に対するメリットです。
受け取り時に税金が安くなる
iDeCoで運用した資産は60歳以降に受け取ることができます。この時の受け取り方は、
1)一時金として受け取る
2)年金として受け取る
という2つの方法から選択できます。
一時金として受け取る場合のメリット
退職金などと同様に扱われ退職所得控除の対象になります。
退職金を受け取る場合でも税金がかかりますが、その税金をかける基になる金額を下げますよ、ということです。具体的にはこのような複雑な計算式になりますが(国税庁のウェブサイト)、

例えば40年間働いた場合、退職金のうち最大2,200万円までは、この控除額が効いてゼロになります。
iDeCoを一時金で受け取ると、これと同様な控除を受けることができます。

なんやこの計算、めんどくさいな、ほんまに。

。。。。。
年金として受け取る場合のメリット
年金を受け取る際にも雑所得として税金がかかります。しかし公的年金を受け取る場合はこれまた一定額を控除した額に対して税率がかけられる、という「公的年金等控除」という制度があります。
iDeCoは「私的」年金で「公的」ではないのですが、税金の計算の際には「公的」年金と同様に考えますよ、ということです。その控除額についても複雑ですが、これまた国税庁のウェブサイトでこのように説明されています。
公的年金等に係る雑所得の金額=(a)×(b)-(c)

例えば65歳未満で300万円の公的年金の収入があった場合、
3,000,000円 x 75% -275,000円 = 1,975,000円=>これが課税所得になります。
つまり「年金」として同じ金額のiDeCoの運用資産を受け取ると、300万円に対してではなく、1,975,000円に対してのみ税金がかかるので(年金の場合は約5%)、年間約5万円の違いが生まれます。
iDeCoの注意点は?

そんなメリットばかり強調して、何かだまそうとしてない?

う、疑り深いな。まあもちろん、注意するべき点もあります。
運用実績がマイナスになることもある
運用商品によっては元本が保証されていないものもありますので、市況の悪化によって運用成績が元本割れになるリスクはあります。
もしどうしてもマイナスは避けたいという場合は、元本保証タイプの定期預金やリスクの低い債券などを選ぶという手はあります。この場合、運用による資産形成は期待できませんが、それでも掛け金拠出時や年金受け取り時の税制メリットを受けることはできます。
60歳まで引き出すことはできない
iDeCoに拠出した資金は、基本的に60歳になるまでは引き出すことができません。絶対に解約できないわけではありませんが、そのためには厳しい要件を満たす必要があるので、基本的には解約できないと考えておいたほうがいいでしょう。
また、60歳になっても、その時点で10年以上加入していないと引き出すことはできません。
どんな運用をするのがいい?
(準備中)
まとめ

だいたいわかってもらえた?

まあ、そうやなあ。計算式にはうんざりしたわ。

。。。
たしかに主婦の場合、掛け金に対する税制優遇がないので、なかなかメリットを感じにくいかもしれません。しかし老後資金の形成という意味では、受け取り時に大きな優遇を得ることができますね。
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