おもちゃメーカーといっても、純粋なトイからゲーム機、ソフトウェア、スマホゲームなど幅広くあります。今回はある程度認知度がある会社の中から、玩具のタカラトミー、ゲームソフトのバンダイナムコ、そしてゲーム機ハード・ソフトの任天堂を取り上げて、その財務内容や優待内容の分析をしてみたいと思います。
株価やデータは2020年4月21日時点のものとしました。

財務内容は?
利益剰余金率の高さや有利子負債の少なさでバンダイナムコと任天堂の健全性は抜群だと言えますね。ゲームソフトを主力商品としていることの影響が大きいのではないかと推測します。ROEやROAもともに10を超えていいます。小型株集中投資で財を成した遠藤洋氏ももガンホーなどで大きく稼いでいます。バンダイナムコや任天堂がこれから急騰する銘柄だとは思えませんが、ゲームソフト会社の収益性が高いということはもっと調べてみたいと思います。
タカラトミーはそれと比較するとやや財務健全性は低いです。低いといっても自己資本比率が50%を少し切るぐらいだから、やばいということはなさそうです。ROEも直近では15.2%と旅行な数字です。
財務健全性の高いバンダイナムコと任天堂ですが、PER・PBRはある程度高く株価の急伸はあまり望めそうにありません。となると、気になるのは配当ですね。
配当は?
コロナショックで日経平均がコロナ以前の10%以上下がっている状況ですが、配当という意味では3社とも高くありません。
最も高いバンダイナムコで2.71%ですが、私が目標とする3.75%には届きません。約50万円を投じて年間の配当が14,500円(税引き前)となります。
任天堂の配当は2%以下がですが、なによりも必要な投資資金が最小単位で460万円も必要になります。2%弱の配当のためにこの額を投じるのは資金効率がいいとは言えません。
転じてタカラトミーは10万円以下で購入できるのでハードルは低いです。しかし配当利回りは2%以下なので配当の魅力には乏しいと言わざるを得ません。
株主優待は?
任天堂は株主優待を提供していません。
バンダイナムコは株主優待ポイントを発行していますね。
保有株式数 | 株主優待ポイント |
---|---|
100〜499株 | 2,000ポイント |
500〜999株 | 4,000ポイント |
1,000〜4,999株 | 6,000ポイント |
5,000〜9,999株 | 10,000ポイント |
10,000株〜 | 20,000ポイント |
このポイントは同社の専用サイトから1ポイント=1円の換算率でこども商品券やイタリアントマト食事券に引き換えることができます。また公式通販サイトでの購入にも使用できます。この株主優待を加味すると、配当利回りは3%に達します。
タカラトミーの株主優待については別途記事にしました。最高の優待が得られる2,000株を購入しても今なら170万円弱の投資なので、タカラトミーファン、子供がタカラトミー製品にはまっているというような場合だと優待目当てで購入するのもありだと思います。
直近の業績動向は?
直近2-3年を見ると任天堂は売上・利益ともに大きな伸びを示しています。ゲーム機「スイッチ」の成功が大きく影響していると思われます。
経常利益伸び率という意味では、タカラトミーは3期前の8.8倍と大幅に伸びていますが、これは単に利益率や売上効率が向上したというよりは、3期前の営業外損失や為替損失の影響がなくなったと見たほうがよさそうです。ただ直近では2019年の年末商戦でのヒット商品がでなかったことで、2020年3月期の業績見込みは下方修正しています。
バンダイナムコも順当な成長軌道を見せています。この3社の中では最も安定した成長度のようにも見えます。
経常利益率が10%あれば合格点だと思っていますが、この3社の直近の営業利益率はほぼ合格点といっていいですね。
任天堂はスイッチ需要をどれだけ維持できるかが重要なポイントになりそうですが、当面は高水準の利益が続くとみていいのではないかと思います。しかし過去にはヒット商品の不在で大幅減収減益となったこともあるので、販売状況を注視しておく必要があります。
タカラトミーの利益率は大きく改善していますが、これは3期前に営業外損失や為替差損が発生していた要因が大きそうです。2020年3月期は業績を下方修正しており株価は大きく下落しました。ヒット商品を生み出すことができるかどうか、人気キャラを取り込めるかどうかが今後の業績を左右しそうです。
まとめ
この3社で比較すると、値上がり期待で購入できる銘柄はないかもしれません。財務健全性からするとバンダイナムコと任天堂は非常に安心できます。しかし任天堂を購入するために必要な資金はためらいが生じるほどですね。。。
したがってこの中で購入するとしたら、バンダイナムコだと思います。ゲームソフトという収益力の高い商品を持ち、スマホゲームのようなこれからも安定して稼げる分野に強く、財務面も健全で、配当+株主優待でみるとお得度が高い、と見立てることができます。
しかし個人的にはゲームに興味がないし、必要投資額約50万円はやや高いので、今のところ購入する予定はありません。
これから株をやってみようかなと興味をお持ちの方
株主優待やNISAなど資産運用をお考えの方は、SBI証券をおすすめします。
まずは証券会社に口座を開いて株をやってみようという人には、LINE証券をおすすめします。
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