「毎月生活費で貯金が全然たまらないわ。。。」
「これからかかる子供の教育費はどうしよう」
「成長期で子供がもっと食べるようになったら食費が。。。」
日本の子育て家庭で、悠々自適に家計を運営し、毎年着実に貯金を殖やしている人どれぐらいいるでしょうか。。。厚生労働省の調査によると世帯年収の中央値は427万円ということです。毎月の収入で楽々と生活をしていくことはなかなか難しく、旅行や家電の購入など大型の支出が発生するとボーナスを当てにしたり、貯金を取り崩したりしてしまいますね。そうするうちに子供は大きくなり、生活費も教育費もかかるようになってくる。そもそも収入の柱である雇用は大丈夫か、などと将来のお金への不安が生じることもあると思います。

今のままの家計運営でいいのか、子供はきちんと育てられるか、老後はまともに生活できるのだろうか、何をすればこのような漠然とした不安を解消することができるでしょうか。
それがライフプランです。キャッシュフロー表とも言います。
私は弱小中小企業に勤務して17年、常に雇用不安を感じながらも、13年前に結婚し現在は子供を二人持つサラリーマンです。雇用不安があったからこそ、子供ができる前にこのライフプランを作成して、毎年その内容を見直しています。仕事の継続が不安になった時にはいつもここに戻ってきます。そうして今後のキャッシュフローを見ていくことで何が必要かを考え、気持ちを落ち着けることができます。
なので、将来のお金が漠然と不安になるときは、ぜひライフプランを作ってみてください。
ライフプランの基本
ライフプランのフォーマットはウェブ上にたくさん公開されています。例えば日本FP協会のウェブサイトでは各種フォーマットがダウンロードできるようになっています。
しかし最初から複雑なものを作ろうとすると挫折してしまうかもしれません。まずはこの基本的なフォームから始めてみるといいのではないでしょうか。
基本はこれです。

こ5つの要素をざっくりと把握し、将来を予測すれば、ライフプランを描くことができます。エクセルにしてたった6列の表です。もし家や車を持つ予定がなく、借金もしないのであれば、4列で済みます。
もちろん、将来の予測のためには、支出の中身を細かく見たり、資産の内訳を分解しておくに越したことはありません。そのスタートポイントとしては、このような表を作ることから始めてみればいいのではないでしょうか。

もっと踏み込んだライフプラン
このざっくりとしたライフプランの精度を上げるためには、いくつかのことを考える必要があります。その内容を以下に挙げてみます。
収入
多くの人にとって収入は会社からもらう給与です。毎月もらう給与と一時金としてもらう賞与がありますね。給与は安定してもらえる可能性が高いですが、賞与は業績によって変動することがあります。なので、この2つは分けて記載したほうがいいでしょう。
収入には給与のほかに、自治体から支給される子供手当、税金の還付、副業、資産運用益、保険の返戻金などがありますね。これらの項目を設けると、収入が足りないというときに、それを補うための手段がいろいろあるということがわかります。
【実体験】医療費控除の確定申告は思ったより簡単。12,820円戻ってきた。
支出
支出は家族の年齢や生活スタイルによって大きく変わってきます。
教育費
ライフプランの「支出」に大きな影響を与えるものに、教育費があります。
これを把握するためには、まず子供の年齢を表に追加していきます。これにより、各年齢で発生する教育費を支出の想定に反映させることができます。夫婦の年齢も入れると、何歳まで働けるか、子供が卒業する時には何歳になっているか、などがわかります。

ここに記載した教育費は、子供を二人とも
に通わせた時の、平均的な学費に20%を足したものです。
教育費はライフプランの中で大きなウェイトを占めていています。教育費にかかわる情報はたくさんあるので、これについては別途まとめ記事を作りました。
(修正中)
その他の費用項目
あまり細かく分けても精度が向上するわけではないので、おおむねこれぐらいに分けて考えるといいと思います。
- 住宅固定費(家賃・ローン支払い・管理費・修繕積立金など)
- 水道光熱通信費(ガス・電気・水道・インターネット・携帯通信料など)
- 保険(生命保険・医療保険の料金)
- 食費(外食費も含めて食事のために使った費用)
- その他生活費( 日用品、衣料品、医療費、交際費、書籍、趣味など )
これらの支出を把握するには、家計簿をつけるという作業が望ましいです。もし家計簿をつけていなければ、ぜひ検討してみてください。
家計簿を継続するのに有効だったたった一つのこのツール (作成中)
資産
一般的な資産としては、次のようなものが考えられます。
- 銀行預金
- 有価証券(株・投資信託など)
- 住宅
- 車
- 貯蓄性の保険
それぞれについて、どうすればその価値を把握できるか、ということを考える必要があります。
銀行預金や有価証券であれば、銀行や証券会社の残高を調べます。最近ではほとんどオンラインで確認できるはずなので、その方法を確実に把握しておきます。もちろん銀行の預金通帳に記帳をするということでもOKです。
車や住宅は資産価値の把握が難しいかもしれませんが、中古車や中古住宅の価値を無料で査定しくれるサービスはいくらでもあります。Googleで「中古車 査定 無料」とか「中古住宅 無料査定」で検索してみてください。
車や住宅は時間がたつにつれて価値が減少します。新築マンションならば20年で購入時の価値が半減すると想定して、将来の資産価値を想定してみてください。中古で購入したものはそこまで下がらないかもしれません。車の場合も条件によってまちまちなので一律に想定するのは難しいですが、20年後には価値はほぼゼロと考えて毎年価値を減らしていくとか、5年ごとの買い替えを想定して、毎年価値を10%下げていくというような方法を考えてみてください。
貯蓄性のある保険は見落としがちです。保険証券というものが必ずあるので、それを見て、どの時期にいくらの金額を受け取ることができるのかを確認しておきます。
負債
一般人に負債というと、自動車ローンか住宅ローンだと思います。これもローン残高を毎月把握できるようにしておきましょう。
もし消費者金融からの借金がある場合は、将来的に家計を圧迫する要因になります。まず残高と金利を確認しましょう。
そして、金利を含めたローンの支払いを支出に、ローンの残高は負債として記録していきます。将来の分についても同じように予測を入れていきます。
ライフプランの見方
こうして、現在の貯蓄額、将来の収入、支出、資産価値、ローン残高を予測していくと、将来の純資産額というのが見えてきます。
この純資産額をプラスで維持できるようにしていくのが重要です。しかし、現状をスター地点として想定してみると、そうはうまくいかないこともあります。そこでがっかりしないようにしてください。
大切なことは、これで漠然とした不安を具体的な数字に置き換えられたということです。つまり、今の収入・支出・貯蓄レベルでは何年後に家計が赤字に転落してしまう、ということが分かったわけです。
そうすると次に考えることは
- 収入を増やす方法はないか
- 支出を抑える方法はないか
- ローンの支払い(金利)を圧縮する方法はないか
- 資産を売却することはできないか
- 運用で貯蓄を増やすことはできないか
などということになります。
それぞれの方法については、やり方はいろいろあるので、随時記事にしていきたいと思います。

まとめ
ライフプランを作る意義は、2つあります。
ひとつは現状を把握すること、つまり今の貯蓄がいくらで、収入・支出がいくらで、資産の価値がいくらなのかを明確にすることです。
もう一つは、それに基づいた将来の予測をして、将来の財政状態を具体的な数字で表すことです。
そうすることによって、
などといった漠然とした不安を数字に置き換え、何をどこまで努力すればいいのかがわかるようになります。
例えば
・旅行は年間30万円以内でやりくりしよう
・パートで月5万円稼げれば赤字にならずに済む
・2%の利回りで余剰資金を運用すれば貯蓄はこれだけ増える
といった目標を立てることができるようになります。
そのための方法を、このサイトでもいろいろな角度から発信していきたいと思います。
コメント