資産運用の鉄板法則として「長期、分散、積立」が重要なことは間違いありません。

「敗者のゲーム」(チャール・ズエリス)という著作では、この重要性が説かれています。
資産運用商品では、NISAやiDeCoで推薦されるような、低コストのインデックスファンドやETFが増えています。また、ロボアドバイザーのように、一つのサービス投資するだけで最適に分散されるようなツールもあります。
このように、「資産運用はインデックス運用が王道」という考え方が主流なのかなと、僕は感じていますし、実際に自分のポートフォリオでは、個別株がやられているのに対して、インデックス運用の資産は日経平均の上昇に合わせて回復しています。
だったら個別株なんてやらなくていいんじゃ?とも思う人もいるかもしれません。
しかし、個別株がダメだというわけではありません。個別株は選び方や買い方が難しいというだけの話で、それさえ工夫すればインデックス運用よりもメリットがあると言えます。(要するに、僕の個別株の成績は、銘柄の選び方や買い方のポリシーが誤っているだけ、ということですね)
個別株にどんなメリットがあるか、というと僕が考えるのはこの3つです。
・株主優待の充実している銘柄がある
・大化けして株価が数倍に上がる銘柄がある
配当
インデックスファンドも、もとをたどれば個別株の集合体なので、配当は出ます。しかしそれは、自動的に再投資されていきます。これがインデックスファンドのいいところでもあり、複利効果を実現する鉄則でもあるのですが、配当をもらっている、という実感はありません。
個別株では年に1回か2回の決算期で配当金が払い込まれます。(もちろん無配当の銘柄もたくさん存在しますが。)「 株式数比例配分方式 」という方式を選ぶと、自分の証券口座に払い込まれます。「配当金受領証方式」では郵便局などで現金を受け取るということもできて、僕は以前、わざわざこの方式で配当金を受け取って、成果をかみしめていたりしました。
株安局面では配当が5%を超えるような、優良な「高配当銘柄」も出現します。このような銘柄を持っていると、自分に配当金収入があるという、精神的な安心感のようなものを感じます(僕の場合は)。もし仕事を辞めても収入が完全にゼロになることはない、という感覚で、安心とまでは言えませんが、多少の救いになります。
株主優待
上場企業の中には、株主への感謝を込めて、または自社製品のPRを兼ねて、株主優待を配布してくれる会社があります。配当金とはは別の株主還元手段で、内容はさまざまです。
クオカードや図書券、カタログギフトなど一般的なものもあれば、自社商品や自社サービスの割引利用権、などもあります。自分がよく利用する商品やサービスの会社の株を調べてみると、普段買っている製品を株主優待でもらえたり、それを買うための割引券や金券をもらえたりします。
これはなかなか満足度が高く、株主優待を最大の目的として株を保有するという人もいます。株主優待が続く限りは、株価が上がろうが下がろうが持ち続ける意味があり、資産運用のポリシーとしてはある意味で筋が通っているなと思います。
KDDIやオリックスのカタログギフトは有名ですし、トリドール(丸亀製麺)や王将フードサービスの株主優待券はなかなか威勢がいいです。
大化け銘柄
個別株の銘柄分析をきっちりとこない、その読みが当たると、株価が何倍にも跳ね上がる大化け銘柄、テンバガーなどと呼ばれる10倍以上に上がる銘柄を発掘することができます。残念ながら僕はまだ2倍に上がる銘柄さえヒットしたことがありません。世の中にはこの大化け銘柄で大きく資産を築いた人もたくさんいるようです。
マネー雑誌やツイッターで有名な「弐億貯男さん」という伝説の方が有名ですね。
10万円から始める! 割安成長株で2億円 [ 弐億 貯男 ]
また僕が本を読んだ中ですごいと思ったのは、遠藤洋さんという方で、数倍どころか10倍以上に値上がりする銘柄を次々と当てて、億万長者になられた方もいます。
【レビュー】10万円から始める小型株集中投資で1億円(遠藤洋)
残念ながら、僕はまだ2倍に上がった銘柄も当てたことはありません。それもインデックス投資やロボアドバイザー投資に方針を転換しつつある理由の一つです。
このような大化け銘柄を狙うとしても、投資資金の全額や大半をつぎ込むべきではない、というのが現時点での僕のポリシーです。
個別株のリスク
個別株に投資するメリットについて書いてきましたが、実はこれらは裏を返すとすべてリスクにもなりかねないので、その点についてはよく認識をしておくことが必要です。
「配当」については、業績が悪化し配当原資が減少して、配当が減少(減配)したり、配当がゼロになったり(無配)することがあります。そうするとたいていの場合株価も大きく下落するので、ショックは二重です。
配当を継続できるだけの財務基盤があるかどうか、配当性向が高まりすぎていないか、配当原資のもとになるキャッシュフローは十分か、などを常にチェックしておく必要があります。
「株主優待」も、業績が悪化すれば、停止になったり内容が劣化することもあります。配当ほど直接的な株価への影響はないかもしれませんが、業績が悪化しているということですから、株価も軟調になることが多いです。
僕はできるだけ、自社商品やサービスを優待にしている銘柄を選ぶようにしています。自社商品やサービスであれば、優待の原資は自社の原価なのでコストは低く、廃止すると企業イメージにもかかわるので、優待を廃止する可能性が低いと思うからです。また、企業が個人株主重視の方針を持っているかどうかも、株主優待に対する判断の要素となると思います。そのあたりは企業のIRページを見るとよくわかります。
そして「大化け銘柄」ですが、当然ながら、悪い方に大化けして、株価が暴落するというケースもあります。こればかりは自分の目利き力であり、会社の実力や社会のトレンドを見る目にかかっていると思います。また、最終的には運もあるでしょう。
なのでやはり、大化け銘柄狙いで、運用資産を全部個別株に突っ込むのは、リスクが高いと思います。
まとめ
というわけで、個人的には、個別株の割合を運用資産の2-3割ぐらいに抑えたいと思っています。
2020年12月の現状では、運用資産のうち、個別株の割合が半分以上あります。 まだ運用に回していない現金の比率が高いので、今後はインデックス運用の比率を高めて、個別株を減らしていきたいと思っています。
一方で、個別株のメリットである、配当や株主優待は、そこはかとない満足感を与えてくれますし、大化け銘柄に出会う可能性も、宝くじとは比べ物にならないぐらい高いと思います。
個別株のリスクを認識しながら、ダメージを受けても傷が深くなりすぎないレベルで、個別株への投資は続けていきたいと思っています。
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